山岸凉子「ドリーム」
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小さい頃、コミックス「妖精王」の中に同時収録されていて、それを読んだのが最初。
自分の世界に浸って、回り(特に旦那さんとか)は眼中にない感じのお金持ちの夫人、丹穂生(におう)さんという人が出てくる。
読んだ当時は、こういう風に、自分の事ばかり考えていちゃダメなんだな、と思った。
でも、歳をとってきたら、誰かに迷惑かけていなきゃ、自分の世界に浸る、オタク体質でも全然いいんじゃないか?と思うようになった。
ストーリー内では、この夫人は自分の事しか考えてないと、一緒に住んでる人たは薄々感づいてる。
でも、ワインを作ってる家の女主人が、美人で優雅な趣味を持った人だっていうのが、仕事関係の付き合いには、歓迎されている。
優雅な夫人に賛同する人は、この家に集まり、ついて行けないと思う人は、あまり近寄らないか、去っていく。
母の再婚相手がこの家の出だったから、旧家で個人ワイナリーを経営する豪華な世界を垣間見れた主人公の高校生・由子(ゆず)。
最初は豪華できらびやかな家にすごくドキドキして憧れてる。
でも、だんだん親戚の人間関係で、丹穂生さんの他人が目に入らない性格とか、この農場経営の豪華なお屋敷に集まるのは、丹穂生さんを崇拝する人に限られてるようだ、と分かってくる。
由子の母親と再婚したという男性は、多分この家の華やかなだけの、人のつながりの希薄さが嫌だったんじゃないかな?
親戚代表のような形で姪(なのかな?そんな辺りだよね)の薔子を結婚式に出席させたり、、、
また、由子と再婚したという男性は、あまりこの丹穂生さんが中心のお屋敷には顔を出していないようなので、、、
なかなか複雑な親戚関係を想像してしまいます。
あまり家族っぽい絆が無いような家に育つって、しんどい気がします。
こういう家で育つと、自分の世界持って、それを死守するような性格になってしまうのかな?と思ったりしました。
丹穂生さんは、ちょっと周りに迷惑をかけていたりする。
それが嫌な人は去っていき、丹穂生さんの美学に感動してる人はずっと集まっている。
私は、丹穂生さんならしつこくされないだろう、って思うので、嫌いじゃないです。
たまに豪華なパーティーに呼ばれて、キレイな人たちを眺められたら、儲けモノ、って思うんじゃないかな?